人気ブログランキング | 話題のタグを見る

緊急事態宣言です

私(※)のアナルが緊急事態宣言である。

私はアラフォーの男である。世間でいうところの「おっさん」に相当する生き物である。10代、20代のうら若き乙女のアナル事情であれば、ワラワラと品性下劣な連中が湧き出でるのだろうが、おあいにくさま。私は「おっさん」であることを前提として、以下読み進めていただければ幸いである。誰がおっさんのアナルに興味を持つのだ、という至極まっとうな意見は隅に置き、私のアナル事情について述べたい。

別に興味がなければそれでいい。そっとブラウザを閉じていただきたい。私がスカトロジーに興味がないのと同様に、スカトロジストがおっさんのアナルには興味を示さないことも理解しうる。ただ、私は書いてみたいのだ。我がアナルについて。他の誰でもない私の排せつ器官として細胞分裂を繰り返し、私のアナルとして形成されたその細胞群に対して、畏怖と敬意を払いつつも書いてみたいのだ。このことに関しては誰にも文句は言わせないし、聞く耳もない。なぜなら、私のアナルは私のものだからだ。

なお、念のため述べるが、私は泌尿器科の専門家ではない。この記事は医学的な有用性をもっていないことはあらかじめ記載しておく。妙な期待をもって読まないでいただきたい。


本題に戻ろう。私のアナルが緊急事態宣言である。

前兆はあった。

数年前から頻繁に脱肛(だっこう)がみられるようになってきていた。脱肛、その名の通り肛門が本来あるべき所定の位置を脱することにより、脱肛である。肛門が肛門からまろび出る、とでも表現しようか。あるいは、肛門が肛門でなくなってしまう、とでも表現しようか。とにかく、数年前から私は脱肛と付き合ってきている。

私が好むと好まざるとにかかわらず、日々、肛門が自分を主張するのだから仕方ない。排せつ器官の一部としてしか存在意義を認められないことに苛立ちと焦燥を覚えた末の凶行か。「オレはここにいるぜ」という自意識過剰な中学生ではあるまいし、主張されても困ってしまうのが本音ではあるが、私もいい年齢の大人である。主張する肛門をやんわりとなだめすかすようにして、脱肛が起きる都度、浴室の湯舟に浸かり、脱肛した肛門を指で押し返すようにして肛門に挿入する作業を行ったものだ。

その作業はいわば、対話。アナルと私とががっぷり四つに組み合い、土俵際で押したり引いたり。人差し指でそっとささやくようにソフトタッチするだけで元の場所におさまる日もあれば、その逆もまたしかり。脱肛量が多い日には、人差し指と中指の2本の指を駆使して、職人のような繊細さと、時に重戦車のような強引さをもって肛門を制圧する日もあった。あくまでも主導権はアナルにあることを忘れてはいけない。相手は自意識過剰な中学生である。下手を打てば反社会的な行動に出ないとも限らない。仮に制圧に失敗した場合、アナルに手痛い反撃を喰らい、流血することになる。舐めてかかるとケガをすることになるのだ。

平時であれば、アナルはアナルである。我が肉体の内部においてウンコの放出の可否をコントロールするという崇高な機能を果たすはずである。仮にアナルが決壊すればとんでもない悲劇である。ましてや社会的動物である人間としては、アナルの決壊は自己の尊厳にかかわる非常事態である。そういう意味においてアナルは人間にとっての最後の砦。WWⅡドイツ軍にとってのベルリンである。アナルに対する敬意を忘れてはならない。

(なお、一部の過激派、倒錯思考をもった連中はアナルをウンコ放出機能のみならず性具として利用する趣向を持つようだが、それは本稿では誌面の都合上割愛したい。)

そんなアナルがここ数日、ついに宿主である私に対して明確に反旗を翻した。

脱肛が戻らないのだ。湯舟での対話を試みるも、相手方は明らかに態度を硬化させている。かなり強引に指でねじこもうとしたものの、アナルは帰らない。脱肛が常態化しつつあるのだ。これは、マズい。菅首相が対コロナで緊急事態宣言をするのであれば、こちらも同様に緊急事態宣言をしなければならない。

脱肛が拡大しおさまる気配がない。このままでは私のウンコ事情が崩壊しかねない。毎朝、流血と戦うことになりかねない。

したがって、私はここに宣言する。アナルが緊急事態です。

※齢70才を超える直系尊属が痔の手術を受けており、DNA・遺伝子にも【アナル×】の傾向。

# by maseda1001 | 2021-01-08 20:45

複雑に見えるこの世界は単純な感情で動いている

 深夜11時まで残業した翌日、僕の残業の成果は上司によって1分で否定された。スプレッドシート10枚分のデータは紙くずとなりシュレッダーにかけるのを待つだけの存在となった。おかげさまで、と言ってはなんではあるけれど、予定されていた会議出席も首尾よく僕だけキャンセルとなり、同時に周囲からの冷ややかな視線と少しの同情も集めることができた。

 この状況、控えめに言って、ファック。ありていに言えば、おセックス。CVS-9と言えば、エセックス。

 そんなこんなで昼休みを告げるチャイムが鳴ると同時に、僕は会社の建物を抜け出した。とてもじゃないがデスクでランチなんて気分じゃなかったわけで。上司の視界のかたすみで自然解凍のチキチキボーンなんて食えたもんじゃなかたったわけで。

 冬。

 高層ビル群を吹き抜ける風は、僕のアデノイド顎を凍てつかせた。ランチに向かうOL達が腕を組み合わせながら体を縮めながら小走りに横切る。頭を禿げ散らかし放題の信託銀行のビルから出てきたおじさんが険しい表情のなかにも午前の仕事を終えた安ど感をにおわせながらコンビニへ急ぐ。

 僕の気分とは関係なく、このオフィス街は今日も平常運転の様相である。そう、僕がどうであろうとなにも変わらない。

 たとえば僕のボクサーパンツの色が黒だろうと、青だろうと、なにも変わらない。あるいは僕がトランクスを久しぶりに着用してみたところで、同じことだ。あまつさえ、ブリーフを履いたとしても、まっさらなホワイトブリーフを、欲望のままに履きこなしたとしても、変わらない。何も、変わらない。

 そんなことを思いながら、行く当てもなく歩いていると突然声が聞こえてきた。

(星野源・・・・・・・)

 誰かが、僕に呼び掛ける声が聞こえる。

(星野源よ・・・・・・)

 誰だろう。他の人は気づいていないようだが、僕にははっきりとその呼びかけが聞こえた。どこか上空から聞こえるような気もするし、すぐそばで呼びかけられているような、そんな気もする。どこか懐かしい声。遠い昔、ずっと昔、聞いたことがあるような声・・・。いったい誰だろう?

(星野源、源よ・・・・・・)

「誰ですか、なんですか?僕に話かけているのですか?」

(そうだ、そなたじゃ・・・・・・・。そなた、源。星野源じゃろ?)

「いいえ、違いますが」

(あ、すみません。人違いでした。失礼しました。)

 そういうと、その声は聞こえなくなった。

 一体、なんだったんだろう。あの声の主は、星野源さんに何を伝えたかったのだろう。あるいは、僕は星野源だったという可能性も微粒子レベルで存在しているのだろうか。それとも・・・・・・。

 そんな疑問を感じつつ、僕はオフィスに戻った。そして上司の冷ややかな視線を右側から感じつつデスクで冷たいチキチキボーンや、ひじき煮やら、ツナマヨのおにぎりやらを食べた。ランチはおいしかった。



 それから数十年。

 いまでも思い出す。あの声はいったいなんだったんだろう。あの声の主は何を呼び掛けようとしていたのか。そして、どうやら僕は星野源ではないらしい。会長席に座り、秘書のエロ尻を眺めつつ熱々の日本茶をすすりながら、今日も部下共が作成したデキの悪い書類に決裁サインを書く日々を送りつつ、思い出す。あの声はいったいなんだったんだろう。



(この物語はフィクションです)
 

# by maseda1001 | 2019-10-27 17:58

ワクワク★おちんちんダイナソー

ワクワク★おちんちんダイナソー。

つまるところ、女人が等しく求めるものはこれである。

古来より、脈々と受け継がれてきた遺伝子の箱舟たる我々のDNAに深く刻まれた定め。すなわち本能は、ヒトの根源的欲求を支配する。そして、その支配するところの行きつく先がすなわち、ワクワク★おちんちんダイナソーである。

僕の言っていることが理解いただけるであろうか。

ワクワク★おちんちんダイナソー。

「ワクワク」とは、楽しい期待などで心が躍るさまを表す副詞である。

「おちんちん」とは、言うまでもなく男性器を意味する。

「ダイナソー」は恐竜である。

さらに、「★」をつけることにより、華やかな印象、はずむような高揚感を付け足している。

そして、これらの単語をつなぎあわせた結果が、ワクワク★おちんちんダイナソーである。


ワクワク★おちんちん「ダイナマイツ」では暴力的に過ぎる。ワクワク★おちんちん「ドラゴンズ」も味噌くさい。ワクワク★おちんちん「ダイナソー」。

ワクワク★「おちんぽ」ダイナソーではどこか非力なイメージをぬぐえない。ワクワク★「おティンティン」ダイナソーでは真面目さが欠ける。ワクワク★「おちんちん」ダイナソー。

「ヤパヤパ」★おちんちんダイナソーでは関西の名門私大の匂いがしてくるし、「ドッキドキ」★おちんちんダイナソーはハロプロのデビューシングル感が否めない。「ワクワク」★おちんちんダイナソー。

ワクワク「♥」おちんちんダイナソーでは色狂いの印象が過剰だし、ワクワク「◆」おちんちんダイナソーではいまいち華に欠ける。ワクワク「★」おちんちんダイナソー。




ワクワク★おちんちんダイナソー。

ここまで説明すれば、僕の言っていることが理解していただけただろうか。理解してもらえるなら、これ以上の幸せはない。

ちなみに僕にはその意味は……残念ながらわからない。



さわやかな秋晴れの土曜日。窓から外を見れば、中学生たちの体育祭が開催されている。数日前までの酷い残暑から一転して、僕の頬をなでる風は心地よい。ようやく、夏が終わる。

「ワクワク★おちんちんダイナソー。」

涼やかな秋風にのせてつぶやいたそのことばは、風に吹かれて、どこへ向かうのだろうか。


(この物語はフィクションです)



# by maseda1001 | 2019-09-14 09:02

若者のすべて

今年最後の花火も終わりに近づいていた。

高校3年生の夏。カツオは妙に冷静になりつつある自分を俯瞰して眺め、そして苦笑した。

(こんなふうにして夏は終わっていくんだ。来年になったらオレは東京に行く。そしたら、この花火も今年が最後ってことになるかもな)

18年間過ごした地元の風景。1時間に1、2本しか来ない鉄道はディーゼルだし、街にある自動販売機はサンガリアの寡占状態。街の唯一のセブンイレブンは去年閉店していまは手もみ1時間3,000円になった。よくもまあこんな辺鄙な片田舎で18年間も我慢したもんだなと思う。

「おい、カツオ!見ろよ。2組の田代の野郎、1年の柏木と2人で歩いてやがるぜ!」

友人の龍田が興奮してオレに耳打ちしてきた。同学年の田代、こいつはカースト上位のイケてる軍団に属している。彼女の1人や2人いても不思議はない。1年の柏木。あいつは確かサッカー部のマネージャーだったな。

「ハハ、お盛んなことで。よろしおますな。」

「悔しくないのかよ、カツオはよ。あああああ!畜生!柏木かぁ。いいなぁ。畜生。知ってるか?柏木って、パイオツがカイデ―らしいんよ。土井が言ってたんだ。あぁ、うらやましい。うらやましいよ。俺は。」

龍田は地団太を踏みながら、1パック500円の焼きそばを口に思いっきり詰め込んだ。やけ食いだ。
興奮する龍田をしり目に、オレは打ちあがる4尺玉を見ながら龍田に言った。

「いいじゃないか。大事な受験の時期に彼女なんか作ってみろ。それこそ、浪人街道まっしぐらだぜ。乳揉み1回することと、英単語1つ憶えること。今のオレたちにとって価値があるのはどっちだ?言うまでもないだろう。」

「とぉふぇふ!ふぃふぃもみは!(当然!乳揉みだ!)」

焼きそばを口から飛び散らせながら、龍田は叫んだ。

すると、飛び散った焼きそばの飛沫の一部が、きれいなカーブを描きながら宙を舞い、屋台5軒分離れた距離にいたイケメン田代にまで届いた。田代のチリチリになった茶髪にピトッと落ちた焼きそばの麺はわずかに湿った青のりが付着していた。

「あれ、なんか焼きそばが降ってきた」

田代はそう言うと、焼きそばの麺を手にとり、しばらく不思議そうに見ていたがやがてその焼きそばを口に含んだ。

「あっ、うまいじゃん。決めた。オレ、焼きそば屋になるよ。」

その瞬間から田代は生涯を焼きそばに捧げることとなった。そして、焼きそば屋に嫁ぐことが決定した柏木は自らの運命を呪い、そしてさいごには肩をすくめて納得するしかなかった。

一方の龍田はと言えば、田代を焼きそば屋への道に陥れた張本人であることをひた隠しにするしかなかった。自らの浅薄な無配慮により、前途洋々たる若者の将来を奪ってしまった龍田は、もはや性欲を捨て去り、勉学の道に没入するしかなかった。結果、龍田は東京大学文科2類に現役合格。大学入学してからまだ3か月しか経っていないのに、本郷三丁目あたりでパイオツカイデ―な彼女を3人作って、挟んでもらったりナニやらしてもらったりしているらしい。

オレは、地元の公立大学に入学した。今日も、2両編成のディーゼルに乗ってキャンパスに行き、サンガリアの100円のお茶を飲みながら、経済原論の授業を聞いている。彼女は当分できそうにない。



(この物語はフィクションです)

# by maseda1001 | 2019-08-25 22:57

しあわせ

多部未華子と平手友梨奈は似ている。

顔の雰囲気っていうのかな。なんというか、とってもニュアンスが伝えづらいんだけれども、僕にはそう思えて仕方がないんだ。キミもそう思わないかい?

街を行きかうたくさんの人々の群れのなかで、僕はキミのことを考えている。

せわしげにスマホの乗換案内を見て、店舗型性風俗店の予約時間に間に合うかを気にしながら急ぎ足になっているリーマン。すでに複数回警察のお世話になっているにもかかわらず、実刑を打たれないのをいいことに今日も万引きをして脳内麻薬分泌させまくりの専業主婦。同じ小学校だったいうだけの薄い関係性だけで呼び出した面会相手との約束のためにファミレスに向かうネットワークビジネスの末端構成員。

そんな人々が行き交う街で、僕は今日も生きている。キミのことを考えながら。

池袋のファッションヘルスへ急ぐリーマンは、ブルマコスプレしてもらった嬢の不摂生を嘆き、「陸上部コスでカネを取るならシックスパック割らせとけよ!」と風俗店のボーイに執拗に詰め寄り、出禁になったらしい。¥498のデンタルリンスと¥1,080のドッグ―ド(缶詰タイプ)の戦利品を抱えて家に帰った専業主婦は、もうすぐ小学生になる娘にデンタルリンスを使った歯磨きの仕方を教えて、年老いて余命わずかの飼い犬にエサという名の愛情を注いでいる。断るのが苦手な気の弱い旧友を3時間ファミレスに軟禁したネットワークビジネスの構成員は、失える友人はもうすでにいない。

みんな、いろいろあるらしい。生きることって、そんなにはラクじゃないって義務教育でもう少し根を詰めて教えてくれてもよかった気がするよね。まぁ、そんなことをキミに愚痴っても仕方がないのはわかってるけど。でも、まぁ、なんていうか。そういうときってあるよね。

だからさ、そんなときに僕は思うんだ。多部未華子と平手友梨奈は似ているって。

このことを考えていると、僕はつかのま、忘れていられる。自分の居場所や、持ち物だったり、将来の年金のこととか。多部ちゃんのジト目はいい意味のほうでのジト目だけど、平手のジト目も系統は同じだよな、とか。多部ちゃんのことをブサカワとかネットで書かれるのを見たことあるけど、きっとそれ書いた奴は全然わかってないよ。多部ちゃんのどこにブサの要素があるのか、僕にはさっぱりわからない。多部ちゃんをブサカワって言うやつは、ヤバTをたんなるアゲ系のスリーピースバンドだと決めつけるくらい目の付け所がないね。

それにね、多部未華子と平手友梨奈は顔以外にも似てる要素がある。これを聞いたら、キミは僕のことを見直してくれるんじゃないかなって思う。それこそ、スライディング土下座して、僕のもとから去って行った非礼を詫び入れに来るんじゃないかなって気さえしてるんだ。きつねうどんすする彼氏の前で、朝からカツどん食って、生ビールを飲むオンナに復縁を許してやる器量のある男だってこともキミに知ってもらえるんじゃないかなって気もしてる。

キミにはわからないかもしれない。でも僕にはわかる。多部未華子と平手友梨奈の共通項。ルックスだけじゃない、2人の似ているポイント。それはね……。

どっちもファミリーネームが2文字で、名前が3文字。

フフ……。どうかな?僕には見えるよ。明日あたり、ジャンピング土下座してキミが寄りを戻したいって言ってくる将来が。

じゃあ今日はこの辺で。Good Noght.

良い夢みてね!



(この物語はフィクションです)

# by maseda1001 | 2019-08-18 16:56

15の頃のスキだらけの僕に笑われて。


by maseda1001